ゲーム会社「スマホゲー市場はもう頭打ち。パズドラやモンストから離れていくユーザーを奪い合うしかない」
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ゲーム会社「スマホゲー市場はもう頭打ち。パズドラやモンストから離れていくユーザーを奪い合うしかない」
ガンホーが10月28日に発表した2016年1~9月期決算は営業利益365億円(前年同期比38%減)だった。
2012年に配信を始めたスマホ向けゲームアプリ『パズル&ドラゴンズ』(パズドラ)のユーザー数減少によるものだ。
2013年に『モンスターストライク』(モンスト)を配信することで業績を驚異的に伸ばしたミクシィも、
11月9日に公表した2016年4~9月期決算は営業利益368億円(前年同期比19%減)と大幅に落ち込んだ。
「マンネリ化したものを夏休み期間に提供してしまったのが苦戦の原因」(ミクシィの森田仁基社長)。
依然として40%近い利益率を誇るガンホーとミクシィだが、株価は2015年11月に比べて半減、
PER(株価収益率)は1ケタ半ばまで落ち込んでおり、株式市場からの評価は冷え込んでいる。
ユーザー同士の交流機能を備えたソーシャルゲームというジャンルが現れたのは2007年のこと。
グリーがフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)向けに『釣り☆スタ』を出したことにさかのぼる。
成熟を迎えるスマホゲーム市場
すき間時間に遊べる操作性や「ガチャ」と呼ばれるくじ引きアイテムへの課金といった、
現在に至る基本的な仕組みが確立された。
当時、DeNAとグリーは自社のプラットフォーム上に各社のゲームを配信し、手数料を取ることで急激な成長を遂げた。
その後、2012年の『パズドラ』の大ヒットを契機に、主戦場はスマホへ移行した。
翌年には『モンスト』も登場し、スマホゲーム市場は急拡大。カドカワの『ファミ通ゲーム白書』によれば、
国内のゲームアプリ市場は2010年に1187億円だったが、
2015年には約9283億円まで拡大。家庭用ソフトの約4倍の規模に膨れ上がった。
が、国内のスマホ普及が一巡した今、ガンホー、ミクシィの決算に象徴されるようにスマホゲーム業界は急激な成熟化を迎えている。
あるゲーム会社の幹部は「市場成長はもう頭打ち。
これからはパズドラとモンストから離れるユーザーを各社が奪い合う市場になる」とため息をつく。
こうした環境下で最も注目を集めているのが、2015年3月に資本提携した任天堂とDeNAの2社だ。
両社が開発・運営で本格的に協力したゲームアプリである『スーパーマリオラン』は12月15日の配信が決定。世界151カ国で配信し、
1200円を支払えば追加課金なしで遊ぶことができる“買い切り”モデルで展開する。
「既存のゲーム事業の活性化につなげるだけでなく、
(スマホゲームを)事業の大きな柱にしていきたい」(任天堂の君島達己社長)