8年ぶりのスクールランブル新作、色々と補完されるwwww
|
|
「ひっさびさだな――!! ありゃ塚本は?」
「あの子が時間通りに来るワケないでしょ」
いまさら何を、といった調子で沢近が応えると、晶のケータイにメールが。
「今 品川出たって 塚本さん と八雲から」
「あーそう」
一斉送信しているだろうから、美琴のケータイにもメールは着ているだろうけど。
「アンタも相変わらずケータイ見ないのねェ」
と沢近に言われて美琴は、
「だあってニガテなんだもん みんながどうしてるかはSNSでたまーに追ってるよ
塚本のやついつ見ても烏丸と2人でいいカンジ♪ 今日の同窓会烏丸も来られたらよかったのになぁ 残念!」
「まあでもウチらは元々SNSとか疎い方だしね」
晶も同調する。
沢近に近況を聞かれるが、
「全っ然問題ない! キラキラ系とは一切つるまないから 未だガラケーのコもいるし」
美琴には聞くまでもなかったか。
「さすがね―――!」
「沢近ン友達だって品のいいケータイとか いじらないカンジじゃないの?」
沢近が感心してると、逆に美琴に聞かれる。
「そーでもない みんなパーティとかさ企業イベントに行ってきました――とか 次から次へと」
めんどくさそうな様子に、美琴はバッサリと。
「コメント返さなきゃいーじゃん」
「スーパーで奥さん連中と出くわすのと一緒! 返事しないワケにはね―――」
沢近はうんざり気味。
「高野は? そのへん」
「私は友達がいないから キラク」
美琴が話を向けた意味はなかった様子。沢近も絶句。
「卒業してつくづく思うけど 矢神高はい――トコだったんだよねェ!」
昔はよかった語りを始めるあたり、沢近も時の流れからは逃れられないようで。
「ま 平和だったよな 同窓会って今回で何度目?」
美琴に聞かれて、晶は指折り数え始める。
「晶は去年ネパールでいなかったよね」
「そーいや今年は播磨来ンの?」
美琴が何気なくブッコんでくる。
「……… なんで私に訊くのよ」
「だってつきあってるでしょ?」
晶と美琴の声がハモる。
「イヤイヤつきあってないし!!」
「またまた―――!ねェー!」「ねー」
顔を真っ赤にして否定する沢近を、二人でからかう。
「た‥ たまたま! 私が顔出してる出版社で会って たまに飲みに行くだけよ!」
沢近は焦って、言わなければいいことを言ってしまう。二人が食いつかないわけがない。
「よく飲んでんだ――――!!」「どう?どう!?」「終電後とか何してンのサ!ウヒョ――!!」
「ちがうちがう!! だから…そう…仕事の相談とかよ!」
なんとか軌道修正しようにも、
「うっそうっそ!」「それは口実――っ♪」
「ホントよ!この間 相談された時も ナンか怒ってて…っ」
「へ――!」
「…でよう 依頼してきた相手と顔合わせに打ち合わせ行ったんだわ 会社の三階な」
「あそこテーブル低いよね」
沢近は適当にあいづちを打つ。
「したらまァタイトスカートの今風なねーちゃんなんだわ」
「ふーん…」
「したらよ―― 打ち合わせの締めのあたりで
目の前で足組み替えやがってよ――」
そんなことで頭抱えられても、沢近に何を言えというのか。
「なンかすっげ――ハラたったンけどよ――
これってどーなのか…ビミョーなんでオメーに聞きてーワケよ…
ナメられてンのか?俺わ そこだけハッキリさせたい」
「……………… 沢近オメェしょーもねぇ酒につきあってんだナー」
「ウン別れたら?」
「つきあってない!!」
「ヒゲ アンタ今週の同窓会 珍しく来るんでしょ?」
「オウ 適当に合流するわ」
「よかった……何かあったのかと思ったわ…」
自分以外の恋愛ごとには美琴も興味シンシン。
「いや でもマジメな話 同窓会で昔好きだった子に会ったら 普通みんなどんな風に思うんだろう?
今がそれなりに幸せでも それを無にしてでも…ってキモチが 呼び起こされるもの?」
それは…播磨の気持ちが天満に……ってことだろうか?
「…… ま 思い出には勝てないかもな いつまでもさ 輝いてるから」
それまでの調子から一転、美琴も真剣に応える。
「…あの子にならわかるのかしらね」
「おっまた――!!」
ちょうどその「あの子」が来たようである。
「イっや――
オマケの八雲が慣れない東京駅で完っ全に迷子になってさ――!! オマヌケ八雲ってか!!」
「ね
姉さんが1人でどんどん地下のよくわからないホームに降りて行っちゃうから…!」
天満が昔のようにピコピコ髪で、八雲とサラを連れて現れる。
「何話してたの――!?」
日もだいぶ陰り、人数も多くなったので喫茶店を離れ、
天満は会場へ向かう道中で話を聞くと。
「そうだな―― 私も あなたも あの時があったから今 幸せなんだネ よかった―――!!! かな!!!」
満面の笑顔。
夜のマリオンを背に、6人は播磨とおちあう。
播磨の表情は、こちら(読者)からは見えない。 Fin.