黒人「日本で『黒人』と言われ驚いた。人を色で呼ぶとは。『外国人』や『アメリカ人』と呼んでほしい」
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黒人「日本で『黒人』と言われ驚いた。人を色で呼ぶとは。『外国人』や『アメリカ人』と呼んでほしい」
答えてくれたのは、日本初の黒人経営者によるアニメスタジオ「D’art Shtajio(デ・アート・シタジオ)」のCEOであるアーセル・アイソムさん。
6月21日(日)オンエアのJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「WORLD CONNECTION」にて。
高校生の頃にアニメ作品の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を観て心を動かされ、アニメ業界を志すように。
現在はスタジオを立ち上げて4年目となり、これまでで『ワンピース』『ジョジョの奇妙な冒険』『進撃の巨人』などの制作に関わったという。
(略)
玄理は「黒人」という呼び方をどう思うか、アーセルさんに見解を聞いた。
玄理:ここ何年かで、「黒人」という呼称が失礼なのではないか、という動きがありますよね。
そこで、アフリカ系アメリカ人という呼び方になってきていましたが、Black Lives Matterをきっかけに、また黒人やBlackと呼ばれるようになりました。
アーセルさんは、こうした呼称の問題をどうお考えでしょうか。
アーセル:はじめて黒人という呼び方を知ったときは、とてもビックリしました。そのときは、日本人の友だちが「日本ではこういう風に呼ぶ」と教えてくれたんですね。
「他の黒人の方は別のことを考えるかもしれません」と前置きした上で、自分自身は「人を色で呼ぶことに対して、“意識”してしまいます」と続けた。
アーセル:私たちの歴史は、“人”ではなくずっと“色”で呼ばれてきているんですね。人間ではなく、まるで物であるかのように。日本人が黒人と呼ぶことに対して、
差別的な意識を向けられているとは思ってはいないです。ですが、リンカーンによる奴隷解放宣言を経て、公民権法が成立したのは1964年のことで、
まだ50年ちょっとしか経っていません。だから、母や祖母の世代、私の子どもの頃は、すごくいろんな差別がありました。
アーセルさんが9才の頃、ガールフレンドの誕生日会に行ったところ、こんな思いをしたそうだ。
アーセル:ガールフレンドの家庭は、お母さんが白人で父がスペイン人でした。パーティのなかで黒人は、私と弟の2人だったのですが、親御さんが喧嘩している声が耳に入ってきたんですね。
喧嘩の内容は、「なぜ家に黒人を招いたんだ。黒人はいい人ではない」でした。日本に住む黒人も、こうした経験を持っていると思います。
また、日本人は区別するために言っているのかもしれないですが、アフリカ人という言い方も適切ではないと思います。アフリカは大陸なので。
ですので、黒人やアフリカ人という言葉よりかは、「外国人」や「アメリカ人」と呼ぶほうがいいと思います。
(略)
Black Lives Matterは、遠い国の出来事ではない。
「日本には人種差別がないから、関係がない」という意見を持つ人もいるが、それは見過ごしてしまっているだけだ。
差別のない社会とはどういうものか、考え続けていきたい。