鳥山明を育てた伝説の編集長マシリト「ワンピースは3巻までしか読めない。連載開始にも反対した。なんで売れたのか理解できない」
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鳥山明を育てた伝説の編集長マシリト「ワンピースは3巻までしか読めない。連載開始にも反対した。なんで売れたのか理解できない」
(原田氏)これ、よく耳にしますが、『ONE PIECE』でいいんですよね?
会場:
(爆笑)。
鳥嶋氏:
はい。『ONE PIECE』でいいです。いまを以て僕は『ONE PIECE』を3巻までしか読めません。あの画面構成はちょっと僕には理解できないものです。
Q.鳥嶋さんが担当されてヒットしたマンガに、共通点ってあると思いますか?
鳥嶋氏:
あります。「子どもに伝わったもの」ということです。子どもに伝わってヒットしたものって、大人にも届くんですよ。でも逆はない。
必ず前向きで明るいものが多いんですよね。子どもに「主人公は自分だ」と思わせるためには、やっぱり明解じゃないといけない。
ヘンに陰があったり、くよくよ悩む主人公はダメなんですよね。
考えさせられたのは、僕が現場でマンガを作っていたときに『ガンダム』が当たっていると聞き、劇場に観に行ったときのこと。
アムロというグダグダ悩んでいる主人公を観て、「ああ、なんてアニメだ」と思ったんです。
ですが、もうちょっと年齢が上の人にとって、「これはこれはである種の等身大なんだな」とも思ったんですね。
ただ巧いのは、シャアという、ちゃんとしたカッコいいヤツが脇にいるんですよね。
グダグダしているヤツだけだったら、ぜんぜんヒットにならないけど、シャアを作っているあたりに、僕はプロとしての腕を感じました。
https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/190517a/2
3月24日放送のTBSラジオ『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』(土曜日24:30~25:00)に『ONE PIECE』初代担当編集・浅田貴典氏が出演。
『ONE PIECE』が『ジャンプ』の連載会議で3度にわたってボツとなっていたことを明かした。
「たぶん情報が出てることは出てると思うんですけど、中身とか言っていいのかな」と前置きした浅田氏は、
『ONE PIECE』が「連載会議で3回落ちて、悔しいやら、苦しいやら、憎いやら……でした」と告白。
最初は読み切りをベースにした主人公ルフィの股旅ものだったが、最終的にはルフィの旅立ちのエピソードに軌道修正して連載を獲得したという。
「最後のネームが確かに一番面白くなっていたので、それはそれで良かったと思いますけど」と述べつつも、
「(当時の会議出席者を)全員殴り倒す夢を見た」ほど悔しかったと語った。
連載会議で『ONE PIECE』に「懐疑的だった」立場のひとりが、当時『ジャンプ』編集部に在籍していた鳥嶋和彦氏。
『DRAGON BALL』の作者である鳥山明先生の才能を見出し、『Dr.スランプ』に登場するDr.マシリトのモデルとしても知られる伝説の元・編集長だ。
連載が始まった頃に鳥嶋氏と挨拶した尾田先生は、「もしこれが売れたら、鳥嶋さん、ギャフンと言ってください」と伝えたという。