うな丼(並)4000円!! 良心的な店「これでも赤字覚悟」 もうウナギの販売自体を止めたら?
|
|
うな丼(並)4000円!! 良心的な店「これでも赤字覚悟」 もうウナギの販売自体を止めたら?
経済ジャーナリスト 高井 尚之
7月20日は「土用の丑の日」。
専門店だけでなく、スーパーやコンビニでも「うなぎ」を大々的に販売しているが、水産資源としてのうなぎは危機に瀕している。
うなぎを名物にする静岡・三島の専門店では、うな丼の並を今年から4000円に値上げした。
10年前のほぼ倍の価格だが、利益はほとんどない。
良心的な専門店ほど苦しむ現状とは――。
■シラス価格は30倍、仕入価格は3倍に高騰
天然資源としてのうなぎが厳しい状況になるにつれて、小売価格は段階的に上がってきた。
かつて三島のうな丼は、ほとんどの店で2000円台だった。それが現在では3000円~4000円台となっている。
元祖うなよしも、今年3月、「うなぎ丼(並)」を4000円とした。関野氏は苦しい事情をこう明かす。
「うなぎ丼の価格は、シラスウナギの『養殖用池入れ価格』で決まるといえます。
10年前、2008年当時のシラス価格は、1kg当たり10万~80万円。当店が生きた成魚を仕入れる活鰻価格が1kg当たり1850円で、
ウチの店は、うなぎ丼(並)を2100円(税込み)で提供しました。
それが、2010年から4年間、第一次シラスウナギ大不漁が起き、シラス価格は30倍までに暴騰。活鰻価格も3倍に高騰しました。
このため当店も2014年にはうなぎ丼を3300円、さらに2015年には3500円に値上げせざるを得ませんでした」(関野氏)
関野氏が説明した数字を整理すると、以下のようになる。
・2008年
シラス価格:1kg当たり10万~80万円
活鰻価格:1kg当たり1850円
うなぎ丼(並):2100円
・2010年~2015年
シラス価格:1kg当たり250万~300万円
活鰻価格:1kg当たり5400~5700円
うなぎ丼(並):3300円~3500円 仕入れ価格が高騰するなか、関野氏は利幅を削って価格を抑えたが、
間接経費や人件費の上昇も加わり、うな丼は「高値の花」となってしまったのだ。
■うな丼は「並で4000円」の時代に突入
今年になって、第二次シラスウナギ大不漁となり、シラス価格は1kg当たり400万円、活鰻価格は1kg当たり6000円となった。
全国のうなぎ店が値上げに追い込まれ、元祖うなよしも、「うなぎ丼(並)」を4000円とした。
「三島全体としてお客さまの声で多いのは、『こんな時代だからしょうがないよね』ですが、厳しい声も目立ちます。
『うなぎが小さくなった』『以前は家族で来られたけど、もう全員では来られない』『これからはスーパーで買って食べる』という声もありました」
(全文はソース先で)
プレジデントオンライン 7/19(木) 9:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180719-00025675-president-soci