介護職の給料はなぜ「低賃金」のままなのか? その闇の深層
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1:ノチラ ★:2018/04/10(火) 20:36:33.03 ID:CAP_USER.net
特に深刻な問題となっているのが、介護人材の不足と介護報酬削減による経営難だ。
深刻な人手不足と介護報酬の削減傾向が明らかになったのは、雇用情勢が上向きになった2012年からで、低賃金で労働環境が悪い介護職は世間に見向きもされなくなった。そこから介護事業所は「限界までお金を使わずにサービスのクオリティーを上げる」という、労働者にとって矛盾した方向に舵を切っている。
無駄を省くマネジメントだけでは、人材の確保やクオリティレベルの不足は補えず、高齢者に自立を促し症状を改善させてサービス量を減らす「自立介護支援」を実施したり、介護職に対して洗脳紛いの自己啓発することでブラック労働させたりといった、“それぞれの工夫”が乱立し、足並みの揃わない「カオス状態」が続いていた。
そんななか、先進的なマネジメント方法としてもっとも注目されていたのが、今井被告が在籍していた「Sアミーユ川崎幸町」を運営する株式会社積和サポートシステムと、その親会社である株式会社メッセージが開発した「アクシストシステム」だった。同社はこのマネジメント方式で「合理的な介護」を確立し急拡大を遂げている。
「アクシストシステム」とは、介護職の一日のスケジュールをコンピューターによって割り出し、分単位で介護労働を徹底する管理システムで、「Sアミーユ川崎幸町」でもこの仕組みが導入されていた。今井被告を含む、当時の介護職たちは、ライン表とよばれる分単位の毎日の作業表を渡され、それ通りに働くことを指示されていたという。
筆者の経験から言えば、介護は高齢者の生活を支える仕事であり、高齢者の症状も一人として同じものがない。日々なにが起こるかわからないなか、介護職個人の裁量を認めず、機械的な作業だけをこなすよう指示する「アクシストシステム」は介護の仕事に向かないのだ。
「あの事件で今井だけが裁かれるのは、どう考えてもおかしい。あのアクシストシステムは地獄です。あのシステムを使っている以上、また同じ事件が起こってもおかしくないと思っている」
死刑判決の日、元アミーユの介護職だったという男性から筆者宛てにこんなメールが届いた。
今井被告が殺人を犯した2014年当時、「Sアミーユ川崎幸町」の施設長が変わり、その上司が分刻みの業務に加えて、“手厚いお客様の対応”や“接遇”を要求していたことが、以前の取材で分かった。
余裕のない過密スケジュールのなかで、あくせく業務をこなす介護職に対し、さらにその業務範囲内で高齢者に手厚くサービスをするよう求める、割に合わない、偏った運営をしていたという。客観的に見てもこれでは上司である施設長と部下の介護職の間に歪みが生じるのもおかしくない。
介護業界だけでなく世間も揺るがした「川崎老人ホーム連続転落死事件」では、今井被告ひとりが逮捕され、結局彼だけが死刑判決を受けた。難を逃れた株式会社メッセージの経営陣は事件後、同社を売却。そのうちの一部は別の有料老人ホームを運営する同業他社に役員として招かれて、いまだアクシストシステムを使った介護事業を継続しているという。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55149
元記事:http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/bizplus/1523360193/