【悲報】東海地域で準絶滅危惧種「ニホンイシガメ」の輸出目的の乱獲が急増
|
|
【悲報】東海地域で準絶滅危惧種「ニホンイシガメ」の輸出目的の乱獲が急増
2016/11/9 08:32
環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている日本固有種のニホンイシガメの
輸出を目的にした捕獲数が近年、東海地域で急増していることが分かった。
現在、捕獲は禁じられていないが、事態を憂慮する識者は「輸出だけでなく、捕獲も規
制すべき」と指摘する。岐阜大では全国でも珍しい繁殖活動を進めている。野生生物の取引を規制するワシントン条約の付属書により、2013年から輸出には国
への申請が必要になり、捕獲場所も届け出る仕組みになった。
環境省によると、13年8月から2年間で約2万8千匹の輸出申請があった。輸出のために捕獲された数は13年は8~12月の5カ月間で約1450匹だったが、
14年は8100匹、15年は9月までで約1万6200匹と急増した。保全活動に取り組む専門家によると、主な輸出先は中国。
甲羅の鮮やかなオレンジ色の模様が金を連想させると、ペット用に人気が高いという。生息数減少の原因はこれまで、環境悪化や開発、外来種の繁殖などに伴い生息地が
減っていることなどが考えられていたが、最近は輸出目的の捕獲が急増している実態
が明らかになった。こうした事態を受け、環境省は15年9月、体長8センチ以上は輸出を実質禁止した。
捕獲場所は、東海地域に集中していることも判明した。
13年8月以降に全国で、輸出目的として捕獲された約2万5750匹のうち約1万8千匹
は静岡、岐阜、愛知、三重の4県で捕獲されていた。岐阜県からは2千匹。生態に詳しい愛知学泉大の矢部隆教授(53)によると、東海地域の生息数は20万~
30万匹。
1割近くが捕獲されたと分析し、「捕獲数の増加は個体数の減少に追い打ちを掛ける」
と警鐘を鳴らす。県内では、種の保全を目指した取り組みが進む。岐阜大応用生物科学部が、2010年
から大学構内に設けた淡水生物園で繁殖活動を実施。これまでに110個の卵をかえした。楠田哲士准教授(38)は大学周辺で育った個体の遺伝子を残すことにこだわり、
「イシガメの保全は地域の自然環境保全につながる取り組みだ」
と切実に訴えている。
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20161109/
201611090937_28394.shtml