初版にこだわる←いまだに分からん、初版だと何かいいことあるの?
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初版にこだわる←いまだに分からん、初版だと何かいいことあるの?
読書、初版で親しみ 江戸川の喫茶「蜂の子」店主が板橋の中学に復刻本
文豪の初版本に触れ、読書に興味を持ってもらおう-。本紙読者で板橋区立高島第二中学校長の香積(かづみ)信明さん(58)が、江戸川区下篠崎町の喫茶店「蜂の子」の店主から、
小説や詩集などの初版の復刻本百三十五冊を譲り受けた。本好きの店主の思いを受け継ぎ、「蜂の子文庫」と名付けて校内の図書室に一部を展示。生徒らは本を手に取り、親しんでいる。 (小野沢健太)
香積校長は六月、蜂の子店主の長島貴久江さん(74)から復刻本を寄贈された。妻恵子さん(58)と長島さんに共通の友人がいたことが縁だった。蜂の子は、長島さんが姉の晴世さん(78)と共に一九七八年に開店。
店内には趣味で集めた小説などの本が並び、最も多い時には二千冊を超えた。
今回寄贈したのは、明治から昭和にかけての文学作品の初版本を再現した復刻シリーズ。昭和四十年代ごろに二年間かけて収集した。
夏目漱石の「我が輩は猫である」、川端康成の「伊豆の踊子」、芥川龍之介の「羅生門」など文学史に残る名作がずらり。
漱石の自筆原稿の複製もあり、文章を棒線で消したり欄外に書き足したりしており、推敲(すいこう)の跡が残る。表紙やタイトルのデザインも趣向を凝らしたものばかりで、当時は本が珍しく、高級品だったことがうかがえる。
「私の宝物だけど、高齢になったので、若い世代に大切に使ってもらいたい」と長島さん。今年初めごろから学校関係者への寄贈を考えていた。
復刻本は九月半ばから図書室に並べた。香積校長は「まずは本に関心を持ってほしい。読書によって学習に対する向上心を身に付けてもらいたい」と話す。
図書を担当する情報委員会副委員長の布施一哉さん(14)=二年=は「今まで見たことがないような本ばかり。読んでみたい」と興味津々の様子だ。
長島さんは「つらい時や悲しい時も、本を読むことで新しい発見をして、救われることがある。今の子どもたちもたくさん本を読んで、何かを感じ取ってもらいたい」と期待する。