女児(7)「お母さん、ないしょにしてね。男の人におしっこみたいなの飲まされた」
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女児(7)「お母さん、ないしょにしてね。男の人におしっこみたいなの飲まされた」
母親が警察に届け出て、女児が男の顔を覚えていたため逮捕につながった。男は十数件の余罪を認めており、被害者は複数いた可能性がある。
なぜ、危険情報は伝わらなかったのか。子どもの性被害を防ぐ方法を考える。
今年1月初め。静岡県東部に住む女児(7)は、学校から帰宅するとヘルメットをかぶったまま床に座り込み、ぼうぜんとしていた。
母親(32)が「どうしたの」と尋ねると、「お母さん、ないしょにしてね。男の人におしっこみたいなの飲まされた」と話した。
驚いた母親はすぐにうがいさせ、証拠を残すために水を保管して警察を呼んだ。女児は自宅マンションの階段前で、男に「○○さん知らない?」と声を掛けられた。
「お願いがあるんだけど、しゃがんで目つぶって、口開けて」とマンションの隅へ連れていかれ、性器を口の中に入れられた。男は最後に「感想は?」と尋ねたという。
それ以来、女児は1人で眠れなくなり、買い物にも遊びにも行けなくなった。留守番も嫌がった。
事件から2週間後に、1人で先に帰宅したときは、鍵がかかる母親の部屋にいた。涙の跡がべっとりついて、ぱんぱんに腫れた目で出てきたという。泣きながら昼寝をしていたのだ。
1月末、警察のカウンセリングを受けた日、女児は事件以来初めて「1人でジュース買いに行く」と言った。
夕方の5時ごろ。母親は不安もあったが、「早く元の生活に戻った方がいい」と買い物を頼んだ。
すると、帰宅するなり買ってきたグレープジュースを玄関におき、洗面所でうがいを始めた。「また同じ人に、同じことされた」という。
自宅近くのアパートで、外階段の脇に人影を見つけた。近所の人だと思いあいさつすると、あの男だった。
「ちょっとお願いがあるんだけど。すぐ終わるから」と階段の陰へ連れていかれたという。
前回の被害後、母親が「なぜ逃げられなかったの」と尋ねると、「声かけられて固まっちゃった」と話していた。この時も同様だったのだろう。
母親は「思春期になって『自分は汚い』と思ってしまうのではと心配。事件が原因で家庭を持てなくなったら……」と強い不安を感じている。
加害者が社会に復帰した後、報復されることを恐れ、引っ越しも考えている。